CANADA LIFE BLOG

仕事でカナダに引っ越したら居心地が良くてそのまま居ついてついでにブログ始めました。

カナダで作る日本料理(2)肉じゃが① 煮物のコツ

前回紹介したカナダのじゃがいも、ユーコンゴールドポテト、これを使った料理をもう一品。

 

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このじゃがいもの良いところは甘みが強いのに煮くずれしにくいところ。だから煮物でグツグツ煮ても大丈夫なのです。

 

家庭料理の定番といえばきっと誰もが肉じゃがと言うと思うのですが(典型的なステレオタイプ)そのわりには煮物は面倒臭いという印象が強くて作る人は少ないです。

 

よく僕が料理人だと言うと得意料理は?と聞かれるのですが、いつも得意料理は煮物全般だと言います。これは本当で、修行時代9年間のうち4年を煮方として過ごしました。

 

初めて煮方をすることになった時は正直僕も煮物って難しそうだしできるかなと不安になりました。全くイメージできなかったんです。賄いの肉じゃがや筑前煮は若い頃に作ったことがありましたが、いつも味付けに苦労してました。だから煮物=難しい、大変という印象を持ってい他のです。

 

でも煮物は全然難しくない。すぐにそう思うようになりました。その理由は煮物を難しいと思っているのはセオリーを知らないか、セオリーを守らないから。たったそれだけです。

 

もちろん各料理ごとに細かいコツはありますが、そんなものは大したことではありません。煮物全般に通じる大きなセオリーがあるのです。

そのセオリーとは

 

  • 煮汁の量
  • 味付けの仕方
  • 味の染み込ませかた

 

たったこれだけです。

順番に見ていきましょう。

 

   

煮汁の量

 煮物というくらいですから、出汁と調味料が合わさった煮汁で煮ます。でもちょっと待ってください、その煮汁どれくらいが適量だと思いますか?材料がすっぽり隠れて分らなくくらい?

 

煮汁は材料の8分目〜9分目がちょうど良いです。物によっては7分目でも十分です。多すぎる煮汁は調理時間を長くします。調味料も余計に必要です。芋などのでんぷん質の野菜は調理時間が長すぎると煮くずれしてしまいます。

 

僕は煮物を作る時はいつも最初は出汁を6分目、調味料を入れて7分目、具材から水分が出て8分目になるようにしています。そして落し蓋をします。落し蓋をすれば少々具材が煮汁から頭が出ていても煮汁と蒸気の対流が起こって火が通らないということはありません。

 

煮汁は少な目が第一のセオリーです。

 

味付けの仕方

 

煮物を作る時に料理本のレシピを見ながら作る方も多いと思います。その時レシピに書いてある調味料の分量をいきなり全て入れてしまっていませんか?調味料は何回に分けて味見をしながら加えていったほうが絶対にいいです

 

煮物の味付けの足し算と引き算 

煮物は一度ついた味付けはなかなか薄めることができません。入れてしまった調味料はそれだけを取り除くことはできないからです。

 

味を薄くするには出汁などで薄める必要がありますが、全体量が増えてしまいます。いったん煮汁を減らしてから薄めるという方法もありますが面倒臭いですよね。味を薄めるということは、足し算をしながら引き算をするという結構厄介なことなのです。

 

逆に、味を足すのはとても簡単なことです。目の前の煮物にただ調味料を入れれば良いだけです。シンプルな足し算なのです。

 

レシピ通り作れば良いわけではない

レシピというとその通りに作れば完璧なものができると思う方もいるかもしれませんが案外そうでもありません。なぜなら、料理は使っている道具によっても出来上がりが変わってしまうからです。例えば強すぎるガスコンロで煮物を作っているといつの間にか煮詰まって味が濃くなります。鍋の大きさ、形によっても火の入り方が変わってしまいます。

 

レシピ通りの分量をいきなり入れるのではなく、自分の道具に合わせて味見をしながら少しづつ調味料を加えていく、これが第二のセオリーです。

 

味の染み込ませ方

煮物の味の染み込ませ方というのはいくつか方法があります。煮物に味が入っていくのは火にかけている時と煮汁に浸かっているときです。

 

冷める時に味が染み込む?

よく煮物は冷める時に味が入っていくと言われますが、料理人的経験からすると、あれは冷めるから味が入っていくではなく、浸しておくことによる浸透なのです。

 

もし食べるまでに時間があるのならば火を入れてそれから覚まして浸しておくと良いです。ダラダラ煮続けていると煮崩れなどを起こしますが、浸しているだけなら煮崩れることもありません。食材にしっかりと火が入った後は冷まして冷蔵庫に入れてしまいましょう。ちなみに修行時代は煮物は必ず一覚まして一晩置くという工程を挟んでいました。

 

煮染めるという方法

時間がない時はどうするか。煮染めるという方法があります。これは少し高度な技ですが、味を濃くして、中火で長時間煮続けることにより味を染み込ませる方法です。

 

先ほどダラダラ煮続けると煮くずれすると言いましたが、適切な煮汁の量で適切な火力ならば煮くずれしません。これにより中まで味が浸透するとともに煮汁が濃くなって濃度が増して材料自体に絡みつきます。煮汁が絡みついた煮汁と、それが絡みついた材料が口に入ることにより濃厚な味が口の中に広がります。

 

具体的には材料の6分目までの煮汁で弱めの中火です。調味料はやや甘味を強くしてコトコト煮続けるようにします。だんだん煮汁の量が減って濃度が増してきます。途中からは時折鍋を揺らすようにしましょう。煮汁が見えなくなったくらいがちょうど良い頃です。

 

火を入れてから浸すか味を煮しめるかが味を染み込ませるセオリーです 

 

以上が煮物のセオリーです。本当は一緒に肉じゃがのレシピも載せようと思ったのですが、セオリーだけであまりにも長くなってしまったのでレシピと分けました。

 

次回は本当に肉じゃがのレシピをご紹介します。