今日はバンフにあるカナダの歴史遺産ケーブ・アンド・ベイシン・ナショナル・ヒストリック・サイトをご紹介します。
バンフ周辺の見どころ、アクティビティを探している方は参考にしてみてください。
ケーブ・アンド・ベイシンはバンフという町の成り立ち、リゾート地としてのバンフの発展、カナダの国立公園の歴史などに関わっています。
行ってきたのは1月ですが基本年中営業している場所です。
2017年でようやく建国150周年だったカナダですが、建国以前から長い間先住民族が暮らしていました。
東海岸から上陸したヨーロッパからの入植者や探検者たちは徐々に西へ進み、カルガリーやバンフからロッキー山脈へ入ってやがてバンクーバーに到達します。
ケーブ・アンド・ベイシンはそんなカナダ建国黎明期の歴史遺産です。
ケーブ・アンド・ベイシンはカナダ横断鉄道工事の最中に発見された温泉
簡単にケーブ・アンド・ベイシンのなりたちを解説します。
1880年代、東から伸びてきたカナダ大陸横断鉄道の工事がバンフ近辺でも始まるのですが、この工事の最中に3人の作業員が山の麓から吹き出る蒸気を発見します。
蒸気の出所は地中にぽっかりと空いた穴の中で、3人は倒木を使ってどうにかその中へ降りてみるとなんと温泉が湧き出ていました。
3人はこの温泉を使って商売を始めようと企みます。
温泉を大々的に売り出して人を集めて入場料でも取ろうと考えたのです。
しかし、彼らの他にも温泉に目をつけていた人がいて占有権トラブルとなました。
そこでカナダ連邦政府が出てきてこの温泉の周辺を保護地に指定します。これが今のバンフ国立公園の始まりです。
この温泉の発見と政府による保護地の指定もあってカナダ太平洋鉄道がバンフ周辺を開発していき現在のリゾート地バンフの発展へとつながります。
ちなみにこの洞窟と温泉らしきもの自体は先住民族の伝承やカナダ建国前の探検によって存在は知られていたようです。
温泉にはその後地上からつながるトンネルが掘られ、プール施設も開業してリゾート施設として賑わいますが1994年に老朽化のため閉鎖されました。
現在ではカナダの歴史遺産に指定されて当時のままの洞窟や建築物を見学できるようになっています。
ケーブ・アンド・ベイシンへの行き方
ケーブ・アンド・ベイシンはバンフのダウンタウンからは少し離れています。
Cave & Basin National Historic Site
入場料は大人$3.90です。
バンフのダウンタウンから歩いて行けないこともないですがバスで行くのをオススメします。
ケーブ・アンド・ベイシン行きのバスが夏の間(例年5月下旬〜9月下旬頃)運行されています。
バンフのロームパブリックトランジットのルート4がケーブ・アンド・ベイシン行きで、運行時間は朝の9時から夕方6時まで30分おきに出ています。
こちらのサイトのメニューのSchedules & Routes > Banff Local Routes > Route4 Cave & Basinでルート、時刻を確認できます。
車で行く場合はカスケードマウンテンを背にしてバンフアベニューを進みます。
橋を渡って突き当りの信号を右に曲がってケーブアベニューに入るとあとは一本道です。
無料駐車場がありますがそんなに広くはありません。特に夏の間は混雑します。
150年前に発見された洞窟がそのまま残る
施設の中は展示エリアと歴史遺産の保存エリアに分かれています。
展示エリアではケーブ・アンド・ベイシンの歴史と先住民族との関わり、温泉によって作られた周辺の特殊な生態系について解説されています。(英語、フランス語のみ)
その先にある洞窟を進むと約150年前に発見された温泉の湧き出る洞窟がほぼ当時のままで保存されています。
もちろん中へ入って見学することができます。
発見された当時は上に見える穴から出入りしていたのでしょう。
現在ではこの穴は柵で塞いであります。
洞窟の隣には温泉発見後1914年に作られたプール施設の跡地があって見学できるようになっています。
施設の建築物についての解説や短いフィルムの上映がされていました。
この施設は1994年まで使われていましたが、別の場所に新しくアッパーホットスプリングスという施設が作られて現在ではそちらが使われています。
ちなみに、アッパーホットスプリングスは水着着用の温泉施設で冬は水量の問題から加水されています。
アッパーホットスプリングスの場所はこちらです。
ケーブ・アンド・ベイシンとは全く違う場所にあります。
最後に
ケーブ・アンド・ベイシンはバンフはもちろん、カナダの歴史とも関わりの深い施設です。
バンフ旅行の途中に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。