今日はこんなこともあったなぁという自分の中で少し懐かしいお話。
カナダへ来たばかりの頃の英語にまつわるエピソードです。
カナダに来て5年目になりますが未だにまともに英語が話せません。
「話せませんっ!」て堂々と言うもんじゃないことは分かってます。
5年も英語環境にいて話せるようにならないのは努力の足りない証拠だし、何より自分が一番分かっています。全然勉強してません。
でも少しだけ言い訳させてもらうと、会社との契約で語学学校その他本業以外のことはしてはならないと決められてしまっているのと、一日中キッチンの中にこもっていると話す相手も機会もないのです。
もちろん少しくらいは本を読んだり、自分でテキストで勉強したりはするのですが、語学の勉強って机に向かっているだけでは上達しない。人と話して場数を踏むしかないのです。そしてそれが足りてない。
それでも来た当初に比べたら多少は話せるようにはなったし、Readingはそこそこ上達はしたました。自分で言うのもアレですけど。。。
でもまだまだ勉強しないといけないと日々痛感しております。
そして今よりさらに読めない話せないで毎日英語に怯えていた、カナダへ来て2年目の頃に英語に関して少し印象的な出来事がありました。
うちの会社では毎年従業員に健康診断を受けさせてくれているのですが、その年だけ何故か再検査を受けるように指示がありました。
ちなみに、僕の住んでいるカナダのアルバータ州、石油やガスなどの天然資源で潤っていて初期医療が無料です。
住民一人一人にホームドクターという名の担当医が決められていて、担当医の指示があった検査については無料で受けられるのです。
話が逸れましたが、ホームドクターから心臓について再検査するように言われてカルガリー市内の検診センターへ行ったのです。
この2年前にカナダへ来る前に受けた健康診断でお医者さんから不整脈について指摘を受けていたのですが、命に関わるような重大なものじゃないから気にしなくていいよとは言われてました。
だから再検査を言われた時は不整脈について何かよくないことが起こったのかなぁと少し不安になったのを今でも覚えています
当時は今よりもさらに英語がまるでダメだったし、何より病院や健康診断で出てくる単語は専門用語ばかりでとても理解できそうになかったので、会社の現地採用の日本語がわかるスタッフに通訳代わりに一緒に来てもらいました。
そして看護師さんに自分の名前が呼ばれて二人で中へ入ろうとすると、突然止められて、一人で来るようにと言われたのです。
ちょっと焦りました。
専門用語の飛び交う場所で英語が話せない自分一人で行くのはマズイなと。
仕方ないので
「I'm sorry I can't speak English.」
と看護師さんに言ったのです。
(いくら何でもそれくらいは話せました。)
でも看護師さんは気にせず僕を連れて行こうとします。
なのでもう一度
「Excuse me, I can't speak English.」
と言いました。
すると看護師さんが
「No! you can speak English. You said you can't speak English in English.」
と言ったのです。
一瞬何を言われてるのかよくわからなかったのですが、すぐに意味を理解しました。
お〜そう来たか。強引だけどなんだかスジが通っているな。。。
そう思って少し感心したのを今でも覚えています。
この人英語が話せない人にいつも同じようなこと言ってるんだろうな〜。
だってカナダは移民国家だし、来たばかりで英語がうまく話せない人はきっと他にもいるだろうし、こんなことざらなんだろうなと。
頭の中に浮かびました。
もう仕方ないので一人で検査室に入って、後はなるようになってしまえでした。
向こうもこっちの英語がイマイチなのはわかってるだろうから悪いようにはしないだろうと。
結果やはり英語は全然わかりませんでしたw
でも身振り手振りのジェスチャーを交えて何とか意思疎通はできました。
検査室の中でジェスチャーしまくる変な東洋人ってことで周りからの視線を一身に浴びてしまいましたが…。
でも問題は英語じゃなかったんです。
検査が超ハードだった…。
どうやら不整脈のある心臓に対して負荷がかかったときにどうなるかの検査だったらしく、 英語のできない35歳のおじさんが連れて行かれたのはランニングマシーンが置いてある、ここジム?と思うような場所。
なんか嫌な予感がする…。
検査官から、「それじゃ走ってみて」と言われて検査が始まりました。
最初は歩くくらいのペースで楽勝〜と思っていたのですが、だんだんペースが上がっていって最後は全力ダッシュみたいなことに。
しかもいつまでたっても終わらない。
きつかったら合図してと言われていたので何度もキツイよ!と合図していたのですが、なぜかさっきは通じてたジャスチャーが通じない。
いや、向こうがわからないふりしていたのかな。
結局どれくらい走っていたかわからないけど、最後はクタクタでどうしようもなくなったところでようやく終了。
検査官の放った言葉が「35歳でこのペースはなかなかやるねw」
やらせたのお前じゃないか。
検査結果は後日郵送すること、その後ホームドクターから話があることを説明されてその日は終了。
検診センターの中で一人だけ汗だくになってジロジロ見られながら家に帰りました。
その後郵送されて来るはずの検診結果はいつまでたっても届かず、ホームドクターからの説明もなし。
そのうちビザの更新で一時帰国することになりいつの間にか検査のことはうやむやに。
今考えてもあの検査は何だったんだろうと思う。
その後毎年の健康診断でも不整脈の話はされるけど、気にするほどじゃないよと言われるし。
あの頃は本当に毎日英語に苦労しておびえていたけれど、この検査の時だけは英語のことよりも、やたら走らされて汗をいっぱいかいたのに、何もなかったかのように結果も知らされなくて夢でも見ていたんじゃないかという出来事でした。
あれから数年たって今だに英語がダメなのですが、ダメはダメなりに少しづつは勉強しています。
最初に全然勉強していませんとは言いましたが、多少はしているのです。
でも英語の勉強をしていると時々ふとこの検査の時のことを思い出してしまいます。