4月のイースターの連休に合わせてカナダのブリティッシュコロンビア州のオカナガンバレーへ念願のワイナリー巡りに行ってきました。
何回かに分けて訪問したワイナリーやオカナガン地方の食事などを旅行記の形でご紹介します。
カナダワインを知っている人にはオカナガンバレーってこんな場所なんだということを、知らない人にはカナダワインの魅力と楽しみ方そして生産地オカナガンバレーのことを知ってもらえたらと思います。
その1〜その3まではこちらからどうぞ。
今回は二日目に巡ったワイナリーのうちサマーランドエリアのワイナリーをご紹介します。
ケロウナのインフォメーションセンター
二日目の朝、少し寝坊して出発したのは8時半過ぎ。
まず向かったのはケロウナ市内にあるインフォメーションセンターです。
Kelowna Visitor Centre | Hotel Reservations, Attractions, Tours
ここではケロウナ周辺のワイナリーの情報はもちろん、ツアーや宿の情報などとりあえずケロウナ近辺の観光のことならなんでもわかります。
ケロウナのオリジナルグッズも色々と販売されています。高いですけど…。
ここのスタッフさんに今回一番行きたかったブルーマウンテンワイナリーがやっているかどうか確認してもらいました。
オフシーズン中はテイスティングルームはやっていないとの情報があったのですが、どうやら営業中とのこと。
ということで今日の予定が決まりました。
ケロウナ→サマーランド→ブルーマウンテンワイナリー(オカナガンフォールズ)
→ナラマタ→ケロウナ
オカナガンバレーのワイナリーは多くが10時からなのでまずは移動中にその時間になるサマーランドから回っていきます。
そして11時過ぎになったら12時オープンのブルーマウンテンワイナリーへ向けて移動開始です。
サマーランドのワイナリー
サマーランドはケロウナから97号線道路でおよそ45kmです。
この区間は97号線が4車線の高速道路として整備されているので移動はとてもスムーズ。
オカナガン湖を渡る橋や高速道路からの景色も素晴らしいです。
カルガリーはまだ寒くて葉っぱも出ていないので景色が灰色っぽい感じでしたが、オカナガンバレーは暖かくてすでに緑と花にあふれて春です。
サマーランドにあるワイナリーは全部で19軒。
さらに3軒のサイダリーもあります。
このエリアは新興小規模ワイナリーが多いのが特徴です。
サマーランドのワイナリーを訪問して昨日のグリズリーワイナリーのようなワイナリーでしかワインを売らない商売が成り立つ理由がわかることになります。(後述)
あとこれはオマケ情報ですが、サマーランドのワイナリーでは共通のスタンプカードが発行されています。
訪れた各ワイナリーでもらえるスタンプを5個貯めてカードに必要事項を記入してワイナリーに設置されてる箱に入れるとワイン6本セットが抽選で当たるそうです。
日本まで届けてくれるのかどうかは微妙ですが一応試してみる価値ありです。
ヘブンズゲイトワイナリー
最初に行ったのはヘブンズゲイトワイナリー。
元々は桃園だったところに2009年にフランスからぶどうの木を輸入して栽培を始めてワイナリーとしては2011年にオープンしました。
白
- ゲヴェルツトラミネール
- カベルネ・ソーヴィニヨン/セミヨンブレンド
- ピノグリ
赤
ロゼ
カナダでは珍しくガメイのヌーボーを出しているワイナリーです。
こっちの人は新酒というものに全く興味がないので酒屋さんに行ってもボジョレーヌーボーなんてほとんど置いてることがありません。
だから珍しいんです。
ワインの価格帯は$16台〜$22台までとお手頃です。
テイスティングルームはこじんまりとした感じ。
テイスティングメニューはこちら。
5種類で$5です。
ワインお買い上げでテイスティング代は無料。
ピノグリ、ゲヴェルツトラミネール、ガメイヌーボー、ガメイノワール、メルロー/マルベックをテイスティング。
ガメイヌーボーはちょっと期待していたのですが…ご想像にお任せします。
なんて言えばいいのか、ロゼかと思うくらい薄かったです。
ゲヴェルツトラミネールがすごく美味しい。
どこのワイナリーもゲヴェルツトラミネールは美味しいのできっと土壌や気候が合っているのだと思います。
ということでゲヴェルツトラミネールを1本買いました。
シルクスカーフワイナリー
続いてすぐ近くのシルクスカーフワイナリーへ。
近いという理由だけで行きました。
昨日1日回って行き当たりばったりの方が面白いことに気がついたので問題なしです。
ここも小さなワイナリーです。
2004年からブドウ栽培を始めているそうです。
テイスティングルームもシンプルにカウンター1つだけで、ジョージクルーニーそっくりの渋いオッちゃんがいろいろ解説しながら注いでくれます。
白
赤
- カベルネ・ソーヴィニヨン
- メルロー
- カベルネフラン
- マルベック
ロゼ
- シラー/ピノ・ノワール
価格帯は$22台〜$34台。
テイスティングは4種類で$3です。
テイスティングできる種類が少ないので何人かで行って飲み回せば全て飲めます。
もちろんワインお買い上げでテイスティング代は無料です。
カベルネフラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、ヴィオニエ、ゲヴェルツトラミネールをテイスティングしました。
ここのカベルネフランはとても美味しかったです。今まで飲んだカナダワインのカベルネフランの中では一番美味しい。
酸味が主張しすぎないでバランスが良く作られていました。
しばらく寝かせたらもっと美味しくなりそう。
昨日のグリズリーワイナリーに引き続いて赤の美味しいワイナリーを発見。
そしてヴィオニエも素晴らしい。
正直両方買いたかったのですが、この後もあちこち行くことを考えて、悩んだ挙句ヴィオニエを購入。
オッちゃんにカルガリーでも買えるかと聞いてみたところ答えはNO!
カルガリーはおろかブリティッシュコロンビア州の酒屋にすらおろしてなくて、ワイナリーかオンラインでしか販売してないとのこと。
ここもか…。
サマーゲイトワイナリー
続いてはサマーゲイトワイナリー。
ここだけ山の上の奥まったところにあります。
Summer Gate Winery | Summerland's Organic Winery
オーガニックでブドウを栽培しているワイナリーです。
見渡す限りの葡萄畑。
白
ロゼ
スパークリング
- ミュスカオットネル/リースリング
見事にドイツ系ばかりです。
スパークリングが$28で他は全部$23でした。
テイスティングメニューはこちらです。
ワイナリーに入るといきなりワインを注がれてメニューにあるものが全部出てきました。
香りはしっかりとしつつも軽やかで飲みやすいものが多かったです。
ロゼを1本買ってその後確認しなかったのでテイスティングがいくらなのかわかりません。
まぁ多分$5より高いことはないと思います。
カナダワインのほとんどが国内消費される理由
サマーゲイトワイナリーではとても興味深い話が聞けました。
ブリティッシュコロンビア州産のワインは90%が州内で消費されるそうです。
理由はこうです。
カナダでは政府がお酒を一度買い取ってそれを酒屋におろすという販売管理システムになっています。
ただし、政府はお酒の買取にそこまで予算をかけていないので生産者から買い取る値段はかなり安く、しかもそんなに買ってくれません。
また政府に買ってもらうために提出する書類を準備するのもにとても手間がかかるそうです。
ブリティッシュコロンビア州は小規模ワイナリーが多くそのほとんどは1000ケース程度かそれ以下しか生産していないのにそれでは利益が出ません。
そこでそんなメリットの少ないことをするよりもワイナリーで直接売った方が儲かるし効率がいいということです。
だからワイナリーで多く売って利益を出したい→ブリティッシュコロンビア州内でほとんど売られてしまう。
こういうことです。
ワイナリーでしか販売しない生産者がいるのも、カナダワインがほとんど国内消費されるのも全てはこれが原因ですね。
なんだか面白いけど複雑な話を聞いたところで長くなってきたので続きは次回その5へ。
その5は今回一番行きたかったブルーマウンテンワイナリーです。
今回登場したワイナリー
ヘブンズゲイトワイナリー
シルクスカーフワイナリー
サマーゲイトワイナリー
Summer Gate Winery | Summerland's Organic Winery
最後まで読んでいただきありがとうございました。