今日はANOVAで作る低温調理の第2弾として鶏の胸肉をしっとりと料理するレシピについてこの記事で解説します。
鶏の胸肉ってパサパサしてイマイチ好きになれないという方多いですよね。
でも低温で調理することによってパサパサ感のないしっとりとした鶏胸肉のローストを作ることができます。
今回は料理人である僕が仕事、プライベートで作る料理の中から鶏胸肉の低温調理ローストのレシピをそのまま解説します。
ついでに一番合う調味料、香辛料についても解説します。
この記事を読んでいただければお家でもANOVAを使ってしっとりとした鶏胸肉のローストが作れます。
料理人が解説!ANOVAで作るやわらかしっとり鶏胸肉の低温ロースト
鶏胸肉は脂分が少ないのですぐに固くパサパサになってしまいますが、ANOVAを使えばしっとりと仕上げることができます。
ANOVAの使い方などはこちらの記事を参考にしてください。
ANOVAで作る鶏胸肉低温ローストのレシピ
最初に断っておきたいのですが、鶏肉に関しては食中毒予防の観点から65度で30秒以上加熱する必要があるのですが実際には65度というのは鶏の胸肉がパサつき始める温度帯です。
ということで今回は58.5度というとても低い温度で作っているので、このレシピを参考に作る方がいたら自己責任でお願いします。
ちなみに今回作って自分で食べましたがお腹が痛くなったりはしていません。
鶏胸肉低温ローストの材料(標準的な胸肉2本分)
鶏胸肉 2本
塩、胡椒 それぞれ胸肉の1%
オリーブオイル 大さじ1
ロースト液
酒 大さじ1
みりん 小さじ1
薄口醤油 小さじ1/2
下準備
- 胸肉に塩胡椒をふって一晩置く。
- 翌日調理開始1時間前に冷蔵庫から出して常温に戻す。
- 鍋などにお湯をためてANOVAをセットして58.5度にする。
- 焼いた胸肉の脂抜き用のお湯を沸かす。
ロースト液を作る
- 酒とみりんを鍋に入れて火にかけてアルコールを飛ばす。
- 薄口醤油を入れてひと煮立ちさせたら火を止めて冷ます。
1%という塩胡椒の量は少し多めです。
今回はローストしてそのまま食べる予定だったのであっさりした鶏胸肉からしっかりとうまみを引き出したかったからです。
鶏肉を塩水につけるブライニングという方法もありますが、今回はしませんでした。微妙に水っぽくなるのを避けたかったからです。
ブライニングについては今度別記事で解説します。
ANOVAで鶏胸肉をローストしていく
今回はANOVAで低温調理をする前にフライパンで焼きます。
メイラード反応による香ばしい匂いを一緒に真空パックしてローストしたいのと、低温調理してから焼くと火が入りすぎるからです。
作り方
1、胸肉の表面を焼く
- フライパンにオリーブオイルを入れて中火であたためる。
- 胸肉を皮目から焼いていく。
- 皮目だけは少し強めに焼いて他の面は均一に火が入るようにこまめにかえす。
- 全体的にキツネ色になったら沸いたお湯に入れて油を落として冷水に落とす。
火加減は中火からやや弱火にします。ジュウジュウ音がするくらいで中まで火が入る前に焼き終えるようにします。
油抜きは胸肉のさっぱりとした味わいを生かしたいのですが、余計な火が入るのは嫌なので一瞬で引き上げます。
そしてすぐに冷水に落として余熱で火が入るのを止めます。
中心への加熱はANOVAの温度だけでしたいのです。
2、ANOVAで低温調理する
- 胸肉の粗熱が取れたらザルにとってキッチンペーパーで水分をしっかりと拭き取る。
- ジップロックやビニールなどに胸肉とロースト液大さじ1を入れて真空パックする。
- ANOVAをで温められたお湯の中に入れて58.5度で30分間低温調理する。
今回はロースト液が入るので真空機は使いませんでした。液が爆発するので。
ジップロック真空の時は水圧を使っているのですが、お湯でやるとビニールが少し柔らかくなって空気が抜けやすくなります。
3、急速冷却して完成
- 30分経ったらお湯から引き上げて冷水(できれば氷水)に袋ごと入れて急速冷却する。
- 芯までしっかりと冷やす。
すぐに食べない時は真空袋ごと冷蔵庫で保管します。
今回は冷製で食べるのでそのまま切り出しました。
切り口はロゼ色です。
所々赤いポツポツがあるのは血抜きをしなかったからです。
血抜きをするとしたら焼き上げた直後に。
竹串などを繊維に沿って刺してどこかに吊るすか立てかけておきます。
出来上がりすぐに食べても味はちゃんとついてますが、もっとしっかりと味を染み込ませたいときは一晩冷蔵庫で寝かせます。
冷凍保存もできるのでまとめて作って時間のないときに食べるのにも便利です。
ロースト液がすぐ融けるので解凍もそんなに時間がかかりません。
鶏胸肉低温ローストの完成
さっぱりとしつつ適度なしっとり感も残っています。もちろん柔らかく、パサつきは全くありません。
今回はたまたまあったコンソメでジュレシートを作って上からかぶせてみました。
鶏の旨味たっぷりのジュレシートとさっぱりとした鶏胸肉の組み合わせは口の中でお互いが絡み合って信じられないほどの相乗効果となります。
ANOVAを使った鶏胸肉料理の可能性
低温調理された鶏胸肉は癖になる食感と味です。
ANOVAを使えば鶏胸肉で柔らかい唐揚げが作れそうな気がします。いや、多分作れますね。
ということで次回実験してみようと思います。
鶏胸肉ローストに会う調味料と薬味
ロースト液のおかげで適度なしょうゆ味がついているのでわさび、辛子、柚子胡椒などをつけてそのままでも十分美味しいです。
ですがちょっと待ってください。個人的なオススメは新潟県の香辛料かんずりです。
かんずりは新潟県妙高市の伝統食品で唐辛子、ユズ、米こうじ、塩を合わせて発酵させたものです。
ピリッとした感じの辛さではなく、マイルドで角のない辛さで鶏の胸肉のようにさっぱりした風味とよく合います。
そして一番会う調味料はスダチですね。さっぱりとした風味を消さずに生かすのは柑橘系の果汁が一番です。
鶏胸肉のローストにかんずりの少しのせて、スダチを絞って食べると絶妙な味わいになります。
試してみてください!
ANOVAを使えば簡単に鶏胸肉のローストができる
今回はANOVAを使った鳥胸肉のローストの作り方を解説しました。
ANOVAを使えば狙った温度で火入れができるのでお家で簡単にやわらかくしっとりとした仕上がりの鶏胸肉ローストが作れます。
このレシピで作った鶏胸肉のローストはそのまま食べても、サラダにしても、ラーメンやそばなどの上にのせても美味しいです。
使い回しにも万能なので是非試してみてください。
ANOVAを使った他のレシピはこちらから見ることができます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。